相続法改正について(骨子)

相続法の改正(骨子)

 1.相続法改正の契機

① H25.9.4の最高裁大法廷の非嫡出子相続分の違憲判断が相続法改正の契機となる(非嫡出子の相続分を嫡出子の2分の1と定めた民法の規定を違憲とする)。

② 相続法制見直しに関する法制審の答申を踏まえ2つの法案が出される。

(1)民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律案

(2)法務局における遺言書の保管等に関する法律案

2つの法案は平成30年7月6日に可決,同月13日に公布される

 

2.今回の改正での3つの観点

第1 配偶者保護のための方策

(1)持戻し免除の意思表示の推定規定

(2)配偶者居住権,配偶者短期居住権の新設

 

第2 遺言の利用促進のための方策

(1)自筆証書遺言の方式の緩和(財産目録は手書き不要とする)

(2)遺言執行者の権限の明確化

(3)法務局における遺言書の保管制度の創設

 

第3 相続人を含む利害関係人の実質的公平を図るための見直し

(1)遺産分割前に財産を処分した場合の遺産の範囲

(2)相続人以外の者の貢献を考慮するための方策

 

第4 その他

(1)遺産分割前の預貯金の払戻請求を認める制度の創設

(2)遺留分権利者の権利の金銭化をする

(3)相続させる旨の遺言や相続分を指定された場合の対抗要件主義の適用

 

3.施行日

(1)の法律

原則 2019年(令和元年)7月1日より施行。

例外1 自筆証書遺言の方式緩和 2019年1月13日より施行。

例外2 配偶者の居住権利 2020年4月1日より施行。

(2)の法律

法務局における保管制度 2020年7月10日より施行。

詳しい内容は,弁護士関戸一考のブログをご覧ください。