税金裁判にたて続けて勝利する

平成25年1月18日(金)に,大阪高等裁判所において,一審の大阪地方裁判所の判決を全面的にひっくり返して,完全勝訴の判決を得ました。これは,先の鳥取地裁判決に続いて取消を得たもので,2件続けての勝訴判決となりました。

この事件は,東大阪市の100%出資により設立された財団法人に対する課税をめぐる問題で,長年に亘って赤字を続けてきた公益法人を,市が見直して黒字化させた途端,課税庁が法人税を課してきたもので,法人税法上の「収益事業」に該当するかどうかが争われました。また,青色申告者の課税処分には理由付記が必要ですが,この事件の処分には結論しか示されず,理由付記が十分と言えるか,という点も争われました。判決では,法人税法上の収益事業に該当するのであれば,単に結論を示すだけでは足りず,具体的な該当法律の適用関係まで含めた理由を示すべきで,それがなされていない本件では,理由の付記が不十分であるということで,全面的に取り消したものです。

近時,最高裁では行政処分の理由付記については,処分行政庁に対し厳格に要求する傾向にあり,この判決は,付記の理由とされる更正処分の恣意抑制と不服申立の便宜の観点から,本件での理由付記の程度では不十分として全面的に取り消したものです。このままこの判決が確定すれば,取消した税額だけで1億数千万円が返還されることになりそうです。